2017年 09月 12日
北の海での「イカ漁の異変」・・・2017年9月12日
その昔から、6月~翌年1月ころまで行われる「スルメイカ漁」は、幻想的な「いさり火」とともに、函館の大きな観光資源となっていましたが・・・・
ですが、この8年間ほど、函館のイカの水揚げ量は減少傾向が著しくなっています。
作年(2016年)度は、シーズン初めから漁不振で、11月までの水揚げ量が1460トンと、この10年間で最も少なく、記録的な不漁となってしまいました。
イカ不漁の原因としては「漁場となっている津軽海峡周辺の海水温が高くなっている」ことや「海流の変化」、「他国漁船の違法乱獲」などが言われていますが、はっきりしたことは分かっていないようです。
函館地域では、観光客へのイカでのおもてなしが欠かせませんし、函館には全国で最も多い70を超えるイカの加工業者が集っています。
たとえば「イカそうめん」製造の業者、作シーズンは思うように新鮮なイカの仕入れが出来ず、例年の30分の1ほどの量しか作れなかったのだそうです。
代わりに冷凍イカを使って製造を続けていますが、冷凍イカの取引価格も前のシーズンに比べると3倍ほどにまで値上がりしています。けっきょく利益が出ず赤字モードで推移しているようです。
ところが、ところが・・・昨今、夏から秋に本格化する道内のスルメイカ漁に異変が起きています。
イカは日本海、太平洋をそれぞれ北上するのですがが、日本海では例年より1、2カ月早く稚内沖に入り、稚内市内は19年ぶりの豊漁に沸いているのです。
稚内港では7月以降、函館市や根室管内羅臼町、遠くは長崎県、鳥取県などの船が連日イカを水揚げしていまして、多い日で約70隻に上るようです。
例年、日本海の夏場の主漁場は檜山沖で、稚内沖で本格化するのは秋口以降です。ですが、稚内漁協によると、今年7、8月の水揚げ量は前年同期を4割上回る1604トンで「ここ10年はなかった」量に達したとのこと。道の統計によると、同時期で1998年以来の豊漁です。稚内市では今夏、船の燃料代や乗組員の飲食などで2億3900万円の経済効果が出たと試算して喜んでいます。
一方、太平洋側は、この時期に北上するはずの道東沖で「群れが全く見当たらない」状況です。半面、函館市の水揚げは8月下旬から急増し、同月の市水産物地方卸売市場の生鮮イカの取扱量は394トンにもなりました。近年の低迷から脱し切れてはいないが、記録的不漁だった前年同月の2倍を超えて、観光業界もイカ加工業者も、ホッと一息ついているようです。
北の海で主要な漁業、「サンマ」や「サケ」の漁獲量が低迷を続けている昨今です。
三本柱の「スルメイカ」が、多少獲れる漁場が違ったとしても、豊漁のニュースを聞く道民にとっては「喜」の一言につきるのです。
<画像は借用いたしました>
近年の気象の変化、温暖化の影響でしょうか。
自然を相手の仕事は死活問題ですね。
海水の気温の上昇や海流の変化・・・これからも異変が起こりそうですね。
函館で、「生簀の中のイカ」を、その場で「お刺身」で頂いた美味しさ~~忘れません!