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かるさんの日々

友人が所属している絵画の団体の、恒例の「作品発表会」が六本木の「国立新美術館」で開催されています。友人の絵は毎回「入選作」として展示され、私たち友人は誘い合って鑑賞しています。今年も420日の午後からが「鑑賞の日」となりました。久しぶりの「ヒルズの風」に吹かれながらの楽しいひと時を過ごしてきたのです。

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せっかくの上京ですから、この機会にと想いたち竹橋の「東京国立近代美術館」で開催されています『生誕150年・横山大観展』も観てきました。

1968年(明治元年)、水戸に生まれた大観は、1889年(明治22年)に<東京美術学校>1期生として入学、岡倉天心や橋本雅邦に師事しました。同期生には菱田春草、下村観山、西郷孤月などがいます。

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1896年(明治29年)母校・東京美術学校の助教授に就任しますが、2年後に当時校長だった岡倉天心への排斥運動が起こり天心が失脚。天心を師と仰ぐ大観はこれに従って助教授職を辞し、同年の日本美術院創設に参加しました。

美術院の活動の中で、新たな画風の研究を重ね、やがて線描を大胆に抑えた没線描法の絵画(「朦朧体」という呼称)を次々に発表しますが・・・・しかしその先進的な画風は当時の画壇の守旧派から猛烈な批判を浴びることになります。

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大観は春草と共に海外に渡り、インドやアメリカで相次いで展覧会を開き高い評価を得ます。その後ヨーロッパに渡りロンドン、ベルリン、パリでも展覧会を開き、ここでも高い評価を受けました。

1935年(昭和10年)には帝国美術院会員となり、1937年(昭和12年)には、この年制定された第1回文化勲章の受章者となりました。同年帝国芸術院会員にもなるのです。

大観は1958年(昭和33年)226日、東京都台東区にある自宅にて89歳で永眠した。氏の脳は現在もアルコール漬けにされた状態で、東京大学医学部に保管されているそうです。

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このたびの展示会場のトップには大作の「屈原」が飾られ、大観がまだ世に容れられなかった時代の「無念さと、曲げることの無い信念を通す」想いがひしひしと伝わってきます。

このたびの展覧会の超目玉ともいうべき、40mにも及ぶ日本一長い画巻『生生流転』は、鑑賞者も長々と連なり、ただただ感動に浸っていました。私も、まさにその中の一人に過ぎなかったのです。

<画像は借用のものです>


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by karucyu | 2018-04-23 18:39 | 日記 | Comments(4)

作家、葉室麟氏が亡くなってから早くも4ヶ月になろうとしています。

2015年に刊行された作品「風かおる」が、数日前文庫化されて幻冬舎から出版されました。

あいかわらず氏の作品は評判が良く、書店の店頭でもすぐに売り切れになるようです。

生涯にほぼ60の小説を書き、アンソロジーが6作品、随筆集が5作品あります。

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その随筆集のなかの「河のほとりで」(文春文庫)を読んでみました。

氏の小説集を読む以上に、短い文章のなかから氏の人となりが伺い知れます。

そのなかの一つ、『もうひとつの「生きる」、思い出積み重ねる歴史の中で』という、エッセイ―を読みました。2014527日とありましたから、この日どこかの新聞にでも掲載されたエッセイーなのでしょう。

そこに、同じような年齢から作家生活に入ったお仲間のことが書かれています。

ちょっと長くなりますが、部分を挙げてみます。

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わたし 初めて 直木賞 候補 なっ 時、 同じ 歴史時代 小説家 山本兼一 さん さん 一緒 だっ た。   三人 とも 中年 から 小説 書き 始め 遅咲き 作家 直木賞 候補 なっ は、 五十 過ぎ た。   この 山本 さん が『 利休 たずねよ』 受賞 れ、 わたし さん 今後、 同じ ジャンル 作家 として レース 競っ いく こと なる だろ う、と 思っ た。   だが、 さん 直木賞 候補 なっ この 八月 亡くなら た。   さん とは 何度 会い パーティ 二次会 などで 一緒 し、 お話 親しい 気持 抱い だけに ショック だっ た。   その後、 わたし 山本兼一 さん 追って 候補 一二 直木賞 受賞 た。   これから 先輩 直木賞 作家 ある 山本 さん 背中 追っ いく こと なる 思っ た。 ところが、 山本 さん 二月 亡くなっ た。   気がつけ ば、 初めて 直木賞 候補 なっ 時、 そば 並ん ふたり 先輩 作家 あいつい 亡くし だ。  』

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この文章を書いた3年後に、自分も彼らのそばに逝くとは思いもよらなかったのでしょうが・・・

「北 重人(61歳没)」「山本兼一(58歳没)」「葉室 麟(66歳没)」のお三方は、ほぼ50代になってから作家生活に入り、短い作家生活の中でそれぞれが珠玉の名品を私たちに残してくれました。それぞれの作品を読むたびに感謝の念を持つことになるのです。


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by karucyu | 2018-04-15 12:13 | 日記 | Comments(4)

 ――ペンタゴンペーパーズ 最高機密文書――を観る

先日、WEB友のHさんがHPで、この映画を観て来て感想を述べられていました。

この映画、巨匠スティーブン・スピルバーグ監督のもとで作られ、90回アカデミー賞に作品賞と主演女優賞にノミネートされた、前評判の高かった作品です。

その評判を前記のHPで識ることになりました。

主演俳優が「メルリ・ストリープ」と「トム・ハンクス」とくれば、これは見逃すわけにはいきません。さっそく今日9日朝早くから出かけ、一回目の上映で鑑賞してきました。

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ストーリーは、まだ地方紙でしかなかった「ワシントン・ポスト」の女性社主と編集主幹が中心になって、歴代大統領が「隠ぺい」してきたベトナム戦争の「悪干渉」を、入手した「機密文書(ペンタゴンペーパーズ)」を基に、社運をかけて報道し国民に知らしめる・・・という話です。

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ストーリーはともかくとして、女性社主が苦悩しながら、国家挙げての妨害を押しのけ「掲載発表」を決断する時のセリフがずしんと来ます。

『報道の使命は国家に従うことでなく、国民に真実を知らしめることです』・・・・・と。

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現在のアメリカの「自由の方向」がどんなものなのか良く解りませんが、昨今のわが国の政権の傲慢さや、メディアを含めた国民の無気力感を視るにつけ、さすがアメリカは「自由の獲得」には、命を懸けて闘う姿勢があることを強く印象づけられた、今日の映画鑑賞の感想ではあります。

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もう一つ、ぜひ観たいのが「ウインストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」です。

評判を得た「ダンケルク」は昨年の秋に観ることができました。


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by karucyu | 2018-04-09 20:54 | 日記 | Comments(4)